「20Lで足りる? それとも35L? いっそ60L?」
クーラーボックスの容量は、数字を眺めているだけではなかなか決まりません。小さすぎて魚が入らないのは困るし、大きすぎても持て余しそう。ここで手が止まる人は多いと思います。
結論から言うと、決め手は2つだけです。「狙う魚が氷と一緒に収まるか」と「魚が入った帰りに運べるか」。そこに内寸と水抜き栓のチェックを足せば、大きく外すことはまずありません。
私は伊勢志摩・鳥羽周辺で、堤防用の小型、船釣り用の35Lと60L、それに60Lの前に使っていた40Lの4台を使い分けています。この記事では、その使い分けと買い替えでたどり着いた考え方をまとめました。読み終わるころには、自分の釣りに合う1台の大きさが見えてくるはずです。
私が堤防・船釣りで使い分けているクーラー

手持ちのクーラーは全部ダイワ。釣りに合わせて、こんなふうに持ち出すものを変えています。
| 釣り | クーラー | 決め手 |
|---|---|---|
| 堤防のサビキ(コアジなど) | 堤防用(25L) | 道具ごとまとめて、一度で運べる |
| ティップラン・イカメタル、普段の船釣り | 35L | 船釣りの主力。魚で満タンになったことは今のところなし |
| タチウオ(ドラゴン狙い)、冬のジギング(ワラサ・ブリ・サワラ) | 60L | 大きい魚・長い魚を狙う日用 |
ドラゴンは、大型のタチウオのことです。
面白いのは、堤防用だけ「魚の量」で選んでいないところ。この話は後半で書きます。もちろん、これは私の釣りに合わせた使い分けです。誰にでも当てはまる必要容量ではありません。
大きい魚を狙うなら、容量と内寸を一緒に見る
大物狙いなら、リットル数より先に内寸を見てほしいです。容量が足りていても、長さが足りなければ魚はまっすぐ入りません。
魚の長さは内寸の長辺で確認する

私の35Lと60Lを、ダイワ公式サイトの数値で比べるとこうなります。
| 公式掲載モデル(例) | 容量 | 内寸の長辺 | 本体の重さ |
|---|---|---|---|
| プロバイザートランクHD II TSS 3500 | 35L | 55cm | 7.3kg |
| トランクマスターHD II TSS 6000 | 60L | 85cm | 11.0kg |
※ダイワ公式サイトの掲載値(2026年10月確認)。内寸は最も狭い部分、重さは空の本体のみの数値です。同じ容量でも、モデルによって内寸は変わります。
容量の差は25L。それに対して、内寸の長辺は30cmも伸びます。しかも深さはほぼ同じで、むしろ60Lのほうがわずかに浅いくらい。60Lは「深い箱」ではなく「長い箱」なんです。タチウオやワラサ・ブリ・サワラを狙う日に私が60Lを持ち出すのは、この長さが欲しいからです。
実際、35Lが魚で満タンになったことは、今のところありません。それでもブリやサワラは、35Lだと長さが足りずに入らない。ワラサも、入って1〜2本といったところです。つまり、足りないのは容量より長さ。
長い魚は、入れ方でカバーすることもあります。私の場合、タチウオは締めてから入れ、ブリやサワラは尾の付け根に処理をしてから入れれば、だいたい収まります。ただし、これで必ず入るわけではありません。最初から長さに余裕のあるクーラーを選んでおくほうが安心です。
40Lから60Lに替えたのは、入りきらない日があったから

60Lの前は、15年ほど前のダイワ「トランク大将」の40Lを使っていました。ところが、これだと魚が入りきらない日がある。そこで「大は小を兼ねる」と考えて、60Lに買い替えました。
今でも、ハマチが数釣れそうな日に40Lを使うことはあります。でも次からは、60Lを持っていくと思います。数が見込める釣りでは、1匹の長さだけでなく「何匹入れたいか」でも、必要な容量は変わってきます。
氷を入れたあとの余白で考える

見落としがちなのが、氷の置き場所。クーラーの容量を、まるごと魚に使えるわけではありません。
私はペットボトル氷を使っていて、35Lなら普段は2Lを2本入れます。砕いた氷よりかさばるぶん、35Lでもハマチクラスを入れられる数はそれほど多くないと見ています。
堤防で1〜2時間なら、500mLのペットボトル氷を1〜2本。手元にない日は船用の2Lを1本入れていきますが、この時間だとさすがに多めですね。保冷剤で代用するのもアリだと思います。
氷の量や入れ方は、こちらの記事にまとめました。
釣り用クーラーボックスの氷はどれくらい?ペットボトル氷の量と使い方
大きいクーラーは、魚が入った帰りの重さまで考える
大きいクーラーで一番大変なのは、行きではなく帰りです。
60Lにはキャスターが付いています。それでも、魚がたくさん入った帰りは単純に重い。船から車まで運ぶとき、家に着いて車から下ろすとき。本体が長いので両手を広げて抱える形になり、取り回しも楽じゃありません。つまり、たくさん釣れた日ほど帰りがきつくなるわけです。
私の60Lモデルは、空っぽでも11.0kg。そこに氷と魚が入ります。キャスターがあっても、車への積み下ろしは持ち上げるしかありません。「大きければ安心」とは言い切れないんです。車の荷室に入るかどうかも、買う前に外寸で確かめておきましょう。公式掲載の60Lモデルは、外寸の長辺が102.5cmあります。
堤防用は「一度で運べるか」で選んだ
堤防用の小型は、魚の量ではなく運び方で決めました。
サビキでコアジを釣るくらいなら、魚を入れるだけには少し大きいサイズです。以前は16Lを使っていました。それでも今の大きさにしたのは、バケツなど中に入れられる道具をクーラーにまとめたかったから。私が行く堤防は歩く距離があるので、荷物はできるだけ一つにして、一度で楽に運びたいんです。
バケツのように濡れてもいい物は、氷締めした小アジと一緒にそのまま中へ。
魚だけなら小さめで足りる釣りでも、荷物まで考えると選ぶサイズは変わってきます。
堤防に持っていく道具は、堤防釣りの持ち物は何が必要?初心者向けの忘れ物チェックリストにまとめています。
買う前に、水抜き栓・オプション・保冷仕様も確認する
サイズが決まったら、最後に装備を見ておきましょう。同じシリーズでも、容量によって付いているものが違うことがあります。
20Lのつもりが、水抜き栓を見てサイズを変えた

堤防用を買うとき、最初は20Lで足りると踏んでいました。ところが買う直前になって、水抜き栓が付いていないことに気づいたんです。危うく、水抜き栓なしのクーラーを買うところ。最終的には、水抜き栓のある少し大きいサイズに切り替えました。
水抜き栓があれば、溶けた氷の水も、クーラーを大きく傾けずに捨てられます。私が買ったのは、ダイワ「クールラインα III」の25L(S2500)。公式の掲載情報でも、同じシリーズの20L(S2000)は水栓なし、25Lは水栓付きです。とはいえメーカーやシリーズによって違うので、「20Lなら水抜き栓なし」と決めつけるのは早計です。容量を見るついでに、装備欄までチェックしておきましょう。
結果として25Lになりましたが、そのぶん道具も中に収まります。堤防釣りを始めたばかりの人にも、十分な大きさだと思っています。
プルーフケースで、濡らしたくない物を分ける
堤防用の25Lにも、船で使う35Lと60Lにも、プルーフケースを付けています。船では食べ物や飲み物、貴重品を、堤防では仕掛けのように濡らしたくない物を、ここに入れています。魚や氷に触れさせずに、同じクーラーで持ち運べるんです。荷物をできるだけ一つにまとめたい私には、結構ありがたい存在。

ただ、ケースを入れたぶん、魚を入れるスペースは減ります。付けて使うつもりなら、その分も見込んでサイズを選んでおきましょう。
保冷力は断熱材も見る
断熱材は主にスチロール、ウレタン、真空パネルの3種類。一般的には、この順に保冷力が高くなるとされています。私の35Lと60Lは、どちらも3面に真空パネルを使ったモデルです。
氷をしっかり入れておけば、普段の釣行で保冷力に不満を感じる場面はあまりありません。ただ、古いクーラーと同じ条件で比べたことはないので、真空パネルでどこまで差が出るのかは何とも言えないところ。断熱材の比較は、容量と内寸、運び方が固まってからでも遅くないでしょう。
迷ったら、釣果情報と帰りの重さで決める
35Lと60L、どっちを持っていくかで迷うことは、実はほとんどありません。前の週の釣果、遊漁船の釣果サイト、漁師さんや知人から聞く話。これで狙う魚と釣れそうな量の見当をつけています。
それでも迷ったら、大きい方。魚が入らないのだけは避けたいからです。ただ、大きい方を選ぶなら、魚でいっぱいになった帰りの重さと、車まで運ぶ距離もセットで考えてください。
気づけば、手持ちは40Lも含めて4台になりました。長く釣りを続けるうちに増えただけで、最初から何台もそろえる必要はありません。まずは一番よく行く釣りに合わせて、1台を選んでみてください。
